最後にきわめて個人的な昔話をひとつさせていただくのをお許し願いたい。実は、「GRAN TURISMO」シリーズのカー・シミュレーション・アルゴリズムを、ずっと担当している丹明彦氏は古い知り合いだ。10年以上前、新米編集者としてOh!Xという雑誌に配属されたとき、大学生の彼はすでにそこでライターをしていた。僕には丹君を担当するほどの能力は皆目なかったが、3Dレンダリングのプログラミング記事を主に執筆していた彼は、Amiga担当(?)の僕が雑多な3Dソフトを買ってくるたびに、いろいろと話をしてくれた。
 でも、最も印象に残っているのは、最初のリアル系ドライブゲームといえる「Indianapolis 500: The Simulation」(1990年発売)を、編集部のAmiga 500+トラックボールでじっとやりつづけていた姿。
 翌年に発売された「Grand Prix 1」(のちに「World Circuit」と改題)などの、操作が簡単で派手なレーシングゲームのほうに目が行きがちな僕のレベルでは、「Indianapolis 500: The Simulation」の中の何を見つめていたのかは見当もつかなかったけど、その後、彼が自動車力学シミュレーションを志す連載を始め、そして、さまざまな紆余曲折を経て、「GRAN TURISMO」へとたどりついたことを知り、さすがだなと思ったものだ。
 そんなわけで、“祝!GT4発売”。